引き続き、「母乳の作られ方」産後編です。
今日は、産後9日頃以降の変化についてお話ししていきます。
おっぱい工場の生産ラインが軌道に乗ってくると、工場は、赤ちゃんが欲しがるときに、欲しがる分の母乳を作れるようになります。
赤ちゃんが母乳を飲めば飲むほど(またはおっぱいを搾って母乳を出すほど)、作られる母乳の量は増えていきます。
この頃になると、おっぱいが張らなくなってくることも多いです。
「張り」を感じなくても、母乳はちゃんと作られていますから心配しないでくださいね。
反対に、赤ちゃんが母乳を飲む頻度が減ったり、おっぱいに母乳が溜まったままにしておくと、
工場内に在庫がたまるため、母乳作りに抑制がかかります。
おっぱい工場は、在庫をかかえません。
ですので、赤ちゃんからの注文がなく、母乳を出荷することがなくなると、工場は生産を減らしていき、やがて閉鎖します。
ここまでが、おっぱい工場誕生から閉鎖までの流れです。
母乳育児を軌道にのせるためには、
・産後できるだけ早くから、赤ちゃんと触れあい、おっぱいを吸わせる
・赤ちゃんが欲しがるときに欲しがるだけ、頻繁におっぱいを吸わせる
・母乳をなるべくためない
この3つが大切なポイントでしたね。
母乳育児が軌道にのるまでは、誰もが不安になるものです。
出産後すぐに育児がスタートして、戸惑いや疲れ、不安も多いことと思います。
「お母さんがいかに頑張るか」=「母乳育児」ではありません。
家族や、産院のスタッフ、自治体などの周囲の力を存分に借りて、
「自分に優しい母乳育児」をしていきましょう。
参考書籍
本郷寛子・新井基子・五十嵐祐子
『お母さんも支援者も自信がつく 母乳育児支援コミュニケーション術』
南山堂,2015
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